医療法人団 健櫻会 篠原医院
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病気のやさしい解説
 院長の篠原 健です。インターネットやTVなどで誰でも簡単に健康情報が得られる時代となりました。大変よいことだと思います。しかし内科医として毎日診療を行っていて感じるのは、これだけ情報が氾濫していても「患者さんは必ずしも正しい情報を得ていない。」ということです。原因としては、発信する側の情報に誤りがあったり、誤解を受けるようなわかりにくい表現だったりといった事が考えられます。

 こうしたことを考え、ここでは「正しい情報をできるだけわかりやすく」というコンセプトで作成したつもりです。しかし、医学情報はつい昨日まで常識だった事が研究の結果、今日には覆されたりという事も残念ながら起こりえます。また、読者の方に正しく伝わっているかどうか確認することもできません。よって、これらの情報の利用は自己責任において行って下さい。また同様の理由から二次利用も禁じます。個人個人にあった正しい情報を得る為には、究極はやはり何でも聞けるかかりつけ医を持つ事だと思います。

 インターネットの情報を発信するのは機械ではなく人間です。「インターネットやTVの情報は必ずしも正しいとはいえない。」という事を十分にご留意下さい。
2006年08月24日
動脈硬化~生活習慣病

動脈硬化~生活習慣病


【動脈硬化ってどんな状態なの?】
血液が流れている血管はゴム管のように弾力があり、血液の流れにあわせ太くなったり、細くなったり伸縮するようになっています。この血管の壁の中に老化などで石灰質がたまったり、高血圧によって長い間血管の内側から圧力がかかったりしていると、だんだんとガラス管のように血管が硬くなってしまいます。ガラス管は弾力がなく、圧力がかかればもろくこわれてしまいます。
 また、血管の内側にコレステロールなどからなるドロドロの物質が、かたまりを作ってしまうことがあります。このかたまりは大きくなると壊れやすく、壊れるとこの部分に血液のかたまりができてしまいます。これを繰り返すことでどんどん血管の内側が狭くなります。泥のたまった下水道のようなもので、つまりやすく、また破裂もしやすくなります。
このように動脈が硬くなったり内側が狭くなったりする変化をまとめて動脈硬化といいます。泥のたまったガラス管の下水道(???)です。


正常な血管動脈硬化の血管進行した動脈硬化の血管


コレステロールが高いまま放置しておくと動脈硬化を引き起こす危険性があります


【動脈硬化が進むとどうなってしまうの?】
血液は酸素や栄養などを必要な場所へ運ぶ役割をもっています。動脈硬化によって動脈がつまったりすると、その先の細胞には血液が行き届かず、十分な酸素や栄養が供給されない事態が起こります。こうした細胞はうまく働かなかったり、壊れたりしてしまいます。この他、弾力がなくもろくなるため、出血も起こしやすくなります。こうしたことからいろいろな病気の原因になります。
頭や首の動脈がつまれば脳梗塞、出血すれば脳出血となります。これらは脳血管性痴呆の原因となることもあります。また、心臓は筋肉でできていますが、この筋肉自体も血液によって酸素や栄養が供給されないと動きません。これらを供給するため、心臓には「冠動脈」という細い血管が3本ありますが、これらがつまりそうになると狭心症、完全につまって心臓の筋肉が障害されると心筋梗塞となります。胸部や腹部の大動脈では、弱くなった動脈の壁の一部がふくれて大動脈瘤というコブをつくることがあります。破裂すると大出血して大変危険です。足の動脈がつまりそうになるのを閉塞性動脈硬化症といい、足のしびれ・痛み・歩行障害などの症状を起こします。この他にもいろいろな病気との関連性が指摘されています。
このように動脈硬化が引き起こす病気は、生命に危険を及ぼすような重い病気であることが多いのです。重い病気を起こす前に初期の動脈硬化の段階で予防していくことが重要です。脳血管疾患と冠動脈疾患をあわせただけでも、日本人の死因の約3割以上を占めています。


【動脈硬化の危険性はどのくらいなの?】
(1)総コレステロールの多い方、(2)中性脂肪の多い方、(3)HDL(善玉)コレステロールの少ない方、(4)血圧の高い方、(5)糖尿病の方、 (6)太っている方、(7)尿酸の多い方(痛風の方)、(8)女性よりも男性の方、(9)閉経後の女性の方、(10)高齢の方、(11)タバコを吸われる方、(12)ストレスのある方、(13)遺伝的に動脈硬化の家系の方・・・などは、何もない方に比べ動脈硬化が進行している可能性が高く要注意です。たく さん当てはまる方ほど危険性はより強くなります。普段から空腹時の血液検査などで危険性を把握しておくことも重要です。
では、実際にはどの程度の動脈硬化が起こっているのか、簡単な検査で調べることができます。当院では、高血圧・高脂血症・糖尿病などの生活習慣病の患者さんが多く来院されるため、動脈硬化の測定装置を導入しています。両手両足に簡単な測定器をつけ5分ほど横になっていただくだけで、痛みもなく調べることが可能です。特に上記の危険因子のある方は、調べてみることをおすすめします。
動脈が硬くなっているとそれだけ血流は早く伝わります。この装置では血流の伝わる早さを測定することで動脈硬化の程度を評価します。また、同時に両手・両足の血圧を比較することなどで血管のつまりやすくなっている部分を発見します。


【動脈硬化の治療】
 実際に狭心症や脳梗塞など動脈硬化性疾患の高度な方は、血管がつまるのを防ぐため、血液をかたまりにくくサラサラな状態にするお薬や、血管を広げてつまりにくくするお薬などを使用する必要があります。
また、前述のような原因となる危険因子があるようなら、それを治療しなければ、根本的な解決にはなりません。危険因子を減らすとこれ以上動脈硬化が進むの を防ぐだけではなく、一度動脈硬化になってしまった血管を正常の血管に戻す作用もあるのではないかとも研究されています。
高脂血症、糖尿病、高血圧などが原因にある場合、治療の基本は食事・運動など生活の改善で す。こうした慢性の生活習慣病では、“慢性”ゆえに、一度お薬を飲み始めれば一生続けなければならない場合が多い(お薬を飲めば改善しますが、中止すると
悪化してしまいます。)です。ちょっとでも異常値が出たら何が何でもお薬を飲まなければいけないのではなく、緊急でなければまず最初に生活改善の努力をし てみるべきです。しばらくして血液検査など再検査しても効果が足りない場合にはお薬で治療するのがよいと思います。


【最後に】
 「食欲もあり調子がいいから、病気なんて無いはず・・・。」と思っていらっしゃる方・・・是非年に1回でもお近くの医療機関にて基本的な健康チェックを されるようおすすめします。大きな病院へ行かれて大変な検査をしなくとも、お近くの診療所で非常に基本的な検査(血液検査、心電図など)で動脈硬化の危険性については推測できます。高脂血症などは相当悪化しても症状がなく、空腹時採血検査をしてみないと判断できません。健康診断を受けていないため高脂血症 などが発見できず、知らない間に動脈硬化が進み、心筋梗塞を起こして突然死ということが起こりえます。

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